トランスジェンダー差別とフェミニズムの話
ここ数日、トランスジェンダーの方への話がツイッターでよく見られます。いや、お茶の水大学がトランス女性を受け入れる、というニュースの時から特に激しく続いている話なのかな、とも思います。(もっと前からなのかもしれません、ずっとあるものなのかも)
私もTwitterなどで見てはいたのですが、当事者ではないのであんまりごちゃごちゃいうことじゃないのかなぁ、と思っていました。
それに、ウィメンズマーチが「トランス女性は女性です」と表明をしていたり、私がリアルに会って話をしてきた、尊敬しているフェミニストの先輩たちは当たり前のようにトランス差別を批判する人たちばかりだったので、わざわざ表明する必要もないものだと思っていました。
フェミニストであることは、どの属性の人も差別したり排除したりしないのが当然だと思っていました。
なので比較的のんびり、この一年間くらい様子を追いながら自分なりに本を読んだり当事者の方のツイートなんか見たりして、頭の中で整理をし続けてきました。自分の方の差別の問題でいっぱいいっぱいだったってのもあります。
だけど、ちょっとびっくりするようなやりとりがツイッターで目につくようになりました。
私が初めて反応したのはこちらだったと思います。
「男性トイレが怖くて使えない」って男性スペースに女性が入っていくことなので「女性専用スペースに男性が自由に出入りできる」と全然違いますし、女性専用スペースにトランス女性が入ることと男性が入ることって全然違いますし、そもそも掃除のおじさん女性トイレに入ってくるやん https://t.co/4Xj5cUKT6H— 石川優実@#KuToo署名中👞👠 (@ishikawa_yumi) June 15, 2020
目次
シスジェンダーの特権を知って
トランスジェンダーの人たちが、どういう生活を送っているかって想像したことがありますか?
私は、正直全然わかっていませんでした。ぼんやり、「体と自分の思う性別が違うってのは大変だよな」、くらいにしか思っていませんでした。
こちらの記事をみて、日常生活でこれだけの大変なことがあるんだ、と知りました。
同時に、たまたま私は自分が女だと思っていて、女と言われる体で生まれてきたわけなので、これまで何も不便がなかった当たり前に過ごしてきた部分で、苦労を強いられている人たちがいるんだ、と思いました。
私は、もし自分の体に例えば男性器があったら辛いと思います。(これは今の私の立場からの想像でしかありませんので、代弁とかではありませんし、当然トランスジェンダーの人もみんな違うのでそうでない方もいると思いますが)
どうやったら無くせるのか、とか、隠せるか、とか、見ないようにしたいとか、手術をすればいいのか、とかを考えそうな気がします。
そんな中で、「お前は男性器があるから女じゃない」なんて言われたら、とても辛いと思います。そんなのはきっと、本人が一番ずっと自分に対して思わされてきたことなんじゃないのかなとも想像します。
たまたま私はこの体で生まれてきたので、トイレは迷わず女子トイレを使えるし、履歴書には迷わず女と書けるし、「私って女なのかな?男なのかな?」と考える必要もなかった。
だけど、そうじゃない人がいるみたいなんです。
全てはたまたまでしかないはずです。
なので、トランスジェンダーの人たちはどんな思いをしているのか、何を言われたら嫌な思いをするのか、をみんなで知ることが出来たらいいなと思います。
あとは、 遠藤 まめたさんの「ひとりひとりの『性』を大切にする社会へ」という本がとてもわかりやすいです。
#KuToo のことも書いてくれてて嬉しい。
実際には、お風呂に突然男性の体をした人が入ってくるとか、そんな話は全然現実的じゃないそうです。
そうさせろと訴えているトランス女性っていうのは、ほぼいないに等しいそうです。(なりすましなどはいるそうです、それはトランス女性じゃなくて、女性になりすます男性です)
そもそもトランス女性は女性トイレを使っている人もすでにいる、し、それに気がつかず普通に過ごしている私たち
そして現実的には、何事もなくこれまでも女子トイレを使ってきたトランス女性もいるそうです。
多くの人はそれに気が付いていないし、例え心の中で「ん?」と思ったとしても、あからさまにおかしなことをしなければ通報することもないでしょうし、ましてや「あなた女性ですか?」なんて聞かないですよね。
逆に何かおかしな行動をしていたら女性であろうと通報されるわけです。
「何かおかしな行動」をして初めて、人は通報されたりします。
「怖がるな」「怖いと思っても我慢しろ」なんて言っていません。ではなくて、まずは当事者の人たちがなにで大変な思いをしているのか、聞くべきなのではないかと思います。
トランス女性に対して「でも男性が女性のふりをして入ってきたらどうするんだ」とか、「体はどういう状態なんですか?」とか、どうしても聞きたくなってしまう方は、一度「それによって死にたくなる人がいること」を、考えてみてほしいです。
その話をしなくても怖いと感じることのの表明はできます。ただでさえ自分の体について悩んできている人へ追い打ちをかけるような言葉はかける必要があるのでしょうか。私にはそれは攻撃にしか思えません。
「怖い」という気持ちの表明を超えているように感じます。
トランス女性も性被害や女性差別にあっているという事実
それと、大切な事実を聞かないのもなぜだろうと思います。
手術をしていないトランス女性も、性被害にあってるんですよね。女性差別にもあっているわけです。
女性差別のうちの多くのものが、その人の性器や戸籍を確認して行われたものではないはずです。
たまに男性でも、女性と間違えられて痴漢に遭ってしまった方の話も聞きますし、私だって様々な女性差別に遭いましたが私の住民票や性器を確認してからの被害なんてものはなかったです。
大体が、「私が女性だと表明して」、「相手も私のことを女性だと認識した」うえで、行われたものです。
だから、トランス女性が女性差別や性暴力に遭うことだって想像できると思うんです。
だからこそ、トランス女性が男性のトイレを使うことを怖いと思ったり、やだなぁと思うことがあってもそりゃそうなんじゃないかと思うんです。
性暴力被害者や性差別被害者を、排除や選別する権利なんてあるんでしょうか。
私そんなこと言ってない
私は、「自分で女性だと言えば女性トイレを使わせるべきだ」とか、「女湯に入らせるべきだ」とか、一言も言っていません。
にも関わらず、私の元には「女性専用のスペースに男を入れると大変なことになるのに」という批判ばっかりきます。
これっていつもの「そんな話してません」でしかないです。
そもそも男じゃないって言ってるし。
他人の身体や心について他人がどうこう言うなんて、失礼だと思います。
で、今回の件で私に色々言ってきた「フェミニスト」の皆様。
私がフェミニズムに触れたのは、助けられたのは、大前提に
「すべての人は同じ権利を持っている」
ということがあるからです。
その前提があるからこそ、「だったら女性だって男性と同じ選択肢があるはずだ」となり、「だったらフェミニズムって正しいし必要だ、だって全然男性が持っている権利をまだ持っていないから」となったんです。
もしトランス女性が身体や性器について他人にごちゃごちゃ言われたり、毎日何回も使う必要のあるトイレのことでこんなに苦労したり我慢しなければならなったりすることを「仕方ない」とするならば、女性の様々な差別だって仕方ないとされてしまうんじゃないですか?
自分たちで自分たちの首を絞めているようにしか思えません。
そうやって何かしらの理由をつけて差別されてきたのではなかったですか、それに悔しい思いをしてたのではなかったですか。
シス女性と呼ばれる私たちだってみんな誰一人として同じ身体の人はいないのに。
勝手に他人が決める「女らしさ」に抗ってきたのではなかったんですか。
怖いですもん、私が皆様がいう「女っぽい見た目」じゃなくなった時、私は女子トイレを使えなくなるんですか?
誰がそれ、判断するんですか。
さらに私に対して「石川優実ではなく性被害者に寄り添います。あなたが失った支持者の層を自覚しろ」とおっしゃってきた「フェミニスト」さん。
私も性被害者だと知りませんでしたか。そうやって「他人が性被害者を本物だ、本物じゃないと決めつけること」にどれだけ怒ってきたのか。
私は自分がされて嫌なことはしません。
身体のことや性器のこと、生理や子宮とか妊娠とかについて他人にどうこうなんて絶対に言われたくない。
「これが正しい女だ」なんて言われたくない。
ツイッターでも書きましたが、こっちだってガッカリです。あなた方が私のことを嫌いになったように、私も嫌いになりました。
「支持してくれていた」のならば、私がフェミニスト代表ではない、と何回も発言していたことも知っていますよね?
私はいつも、何かの代表じゃないです。あなた方の機嫌をとるために活動をしているわけではない。
お互いに支持しあっているはずです。どちらが上とかじゃない、対等な関係です。それぞれの役割ややり方があるだけで、私は皆様を引っ張って行ったり代弁しているわけではないです。
私は私の信じたものにしか従わないです。
所謂TERFと呼ばれる方たちにお返事したリプライ、いつものクソリプに対する返事とほぼ一緒でしたよ。
いつも言ってるじゃないですか、「まず当事者の話を聞け」「認めてもらうとかじゃない、同じだ」「その被害の当事者じゃないのに語ること自体がおかしい」「特権に気づけ」。
そういうことをやってませんか?
私は当事者じゃないので、発言するべきではないと思っていました。
わからないので、難しいなと。でも、当事者じゃないのにトランスジェンダーについて語り、ひどい言葉をかける人はいました。
その人たちが好き放題勝手にトランスジェンダーの人たちについてごちゃごちゃ言っているのに私が言っちゃいけないってことはないんじゃないかと思って発言し始めました。
ここまでの話ももちろん、当事者じゃないところからなので失礼なことがあったらご指摘ください。(当事者の方からですよ)
普段自分が批判してることを自分がするって、気持ち悪くないですか。
何度も言いますが、ガッカリはお互い様です。
偉そうに私に指示したりしないでください。
「トランスジェンダーのトイレ問題について全然知らないと思いますが」みたいな、きゃりーぱみゅぱみゅさんに絡んだミソジニー野郎みたいなこと言わないでください。私がずっとこのことを考えていたことなんて、私の頭の中なんだからあなたに分かるはずがない。
そういう意識が結局トランスジェンダーの人の心だって決めつけてるんじゃないんですか。
私がTwitterでずっと言ってるのは、「つらいって言ってる人の言葉をまず聞こう」だけですよ。
せめて自分の中では矛盾せずにこれからも生きていきたいです。
私が最近この件に関して声を上げているのは、フェミニズムでも#KuTooでもオンラインハラスメントでも、当事者じゃない人にたくさん助けられたからです。
やっぱり当事者だけじゃもうどうにもならないこともあると感じます。
当事者の人たちは必死で声をずっと上げてるんです。
死なないために、生きるために。
気が付いた人から、「おかしくないか?」と思ったら、難しいけれど少しでも意思を表明してみてもいいんじゃないかと思いました。
アンチみたいな人だけあんなに堂々と当事者じゃないことに対して発言できるなんておかしいもん。
っていう感じです!!
靴からの解放を訴えてたはずが、なぜトランス女性の話になっているのでしょうか。
当事者じゃないなら尚更不自然。他のことで注目された人が違う話に便乗するんですか。
私は性自認優先社会になるのが恐ろしいです。
トイレに掃除のおじさん入ってくるというけど、トイレ掃除も女性が多いし男性が掃除されてる時は入りません。
すでに女性トイレを利用してなんの問題もない人を排除しようと思いませんが。
元男の女性作家も、手術前から女性としてトイレに入りOLもやってたといいますが、誰かそれを責めてますか。
トイレの問題は性自認が最優先されると、それを変質者が利用してしまうことですね。
トランス男性の存在で男性は脅かされないのに。変質者が入りやすくなれば身体女性も見た目女性も脅かされることになりますが。
「防犯対策を強化すればいい」という人がいましたが、なら防犯対策はトランス問題に限らず今までにできたことです。
しかし、男女分けと女性の自衛に任せて他はやらなかった。
既にトイレ内で犯罪は起きてきましたが。盗撮、レイプ、レイプ殺人までもが。それで女性女児への犯罪許さない!とデモとか署名とか起きてますかね?
不幸な事だが世界であること、自衛しかないという感じできました。
今女性への暴力をゼロにできないのに、新たな危険を懸念するのは差別などと黙らせてるわけです。
「防犯対策すればよい」というならすぐ実行にかかればいい、実現できてないのに性自認最優先にしようと目論む人は犯罪者の手先か何かでしょう。
これまで男性が女性トイレにいたら通報できました。性自認優先になれば「私は中身は女だ、差別するのか」といわれたらもう通報できません。
変質者はあらゆる手を使い、あらゆる嘘をつきます。それで一番狙われるのはまず女児ですよ。
女性の気持ちがわかるから女性を脅かさない、差別と決めつけない人もいる、多目的トイレを使うと言ってる人も。
いつからトランス女性は女性を糾弾する存在になったのか。身体女性を脅かす人の心が本当に女性ですか?
また擁護者は「シス女性も犯罪者いるし~」とか言っている。性犯罪者の大半が男性なのに。
一番解せないのはシス男性がシス女性に「トランス女性は女性だ差別するな」とか言ってることです。なんの負担もなく不利益を被る恐れもないお前らが口挟むなと思う。
トイレは性自認最優先アピールで変質者の侵入許すなというところで、利用するなまでは思ってない。風呂に関しては、体が男なら家族風呂や貸切風呂、混浴を利用してほしいとしかいえません。裸での公衆浴場なんかそもそも海外では少ないです。
あと女性競技に身体男性が混ざるのも反対。不公平極まりない。
風呂、スポーツ、病気や妊娠出産に関しては身体の性別で分けて考えてもらわないと困ります。産婦人科なんかもあえて女性医者を選んでるのに、性自認女性医師になったら困る。
何でも差別と決めつけて黙らせないで欲しい。差別といわれたくないから理不尽に感じても黙る、我慢する人がいるのは解決じゃないです。