はい、私の感想です。

2ちゃんねる創設者で「論破王」と呼ばれるひろゆき氏が、沖縄の辺野古へ行き以下のようなツイートを投稿しました。

その後こちらの動画が投稿され、

10月7日(金)のAbemaPrimeで、
沖縄タイムス記者で東京出身の阿部岳記者@ABETakashiOki
お笑い芸人のせやろがいおじさん、@emorikousuke
ジャーナリストの宮原ジェフリーいちろうさん@ichiro_jeffrey

がゲストで出演し、この一連の件について「討論」をしました。

「討論」に私がかぎかっこをつけたのは、私にはあれが討論とは思えなかったからです。

このブログでは、前半は「座り込みの定義」にこだわったひろゆき氏について、自分がフェミニズムに触れてから起こったこと、されてきたことと照らし合わせていきたいと思います。これは、沖縄の基地の問題と自分の問題が同じレベルのもので考えているとかそういう話ではないのでご了承ください。ただ、どちらもマイノリティが権利を得るために起こした行動に対しての現象で、共通点があると思っています。

後半は、私の立場でどう書けばいいのかわかりませんが、沖縄に対する思いを書きました。

どれも私の個人的な感想です。

謎定義や謎ルールを決める権利があると思っているTwitterの人たち

#KuToo運動を始めた当初、「ハイヒールの強制」という言葉をメディアの方や賛同された方は使っていました。私もあまり何も考えずに使っていたと思うのですが、運動を続ける中でアンチが増えていき、徐々に「”ハイ”ヒールのは8センチ以上のヒールを指す。実際に職場でのルールは2、3センチから5センチ程度なのだから、”ハイ”ヒールとは言わない」という声が上がり始めました。

また、「強制とは無理矢理履かせられること。身体を縛り付けて履かせられたわけでもないんだから、強制とは言わない」という声も多く寄せられました。

「ハイヒールの定義」が8センチ以上というのは初めて聞きましたし、ネットで調べたところ7センチからという意見が多かったです。で、私の会社は5センチから7センチのヒールが望ましいと言われていたので、ハイヒールと言っても問題はなかったと思います。(そもそもこの7センチ以上というのも、「大体それくらいでしょ」というものであってきっちりとした決まりがあるわけではないと思います。)

強制に関しては、それこそ辞書を調べると「権力や威力によって、その人の意思にかかわりなく、ある事を無理にさせること。」「(1) 心理的強制,(2) 物理的強制,(3) 社会的強制に分けられる。」などと書いてあることもあり、ネット上にわらわら沸いてきた人が言っていることの方が間違っていたと言えると思います。

強制(読み)きょうせい

ですがこの時私は、この意味不明定義の押し付けをしてくるアカウントの数の多さに圧倒されてしまって、「ヒールやパンプスの強要」に言い換えたんです。(強要ならいいのか知りませんが笑)

でも、海外の人から取材を受けるときに「”ハイ”って使わないでください、批判がくるので・・・」と言ったらみんなドン引きしていました。そりゃそうよね、意味わからないと思う。

また、先日やっと最高裁棄却が確定した#KuToo本裁判では、「石川が”クソリプ”と言って色んなツイートを引用しているが、このツイートは”クソリプの定義”にはあたらないから著作権違反だ」という主張が元々Twitter上で拡散されたのが始まりでした。

詳細はこちらから辿れます。

ありもしない「クソリプの定義」を作り出し、それを他者に押しつけ、その定義に反しているので著作権侵害だと言い出し、裁判になり、全て認められず終了したこの裁判ですが、今回のひろゆき氏の一連の流れを見ていて共通点が多いなと感じました。

それを確信したのは、AbemaPrimeでの彼の発言でした。

「座り込みをしている人たちは嘘つきだから、そういう人は排除したほうが運動のため。運動の印象が悪くなる」

こういう発言を彼は、2.3回強調して話したと思います。彼がしたかったのはこういうことなのではないかと思います。
これは、私が”ハイ”ヒールや強制、クソリプの定義を守っていなかったとして、「嘘をつく人間だ」ということにされてきたことと同じだと感じました。

石川優実は活動をする中で、実際にはミドルくらいのものを”ハイ”と言い、無理矢理縛り付けられて履かされていないのに「強制」と言い、「クソリプの定義」に入っていないツイートをクソリプと言った、嘘つきで不法行為を犯す人間だ。

私は予測検索で「石川優実」と打つと「詐欺師」と出てくる時期がありました。

でも、実際にはハイヒールの定義とやらに当てはまるヒールの高さがルールに書いてあったし、そもそも強制は心理的なものも含まれているし、クソリプの定義なんてそもそもどこにも存在していません。「リプと書いてあるんだから石川へのリプだと思うのが普通の読み方だ」という主張をされましたが、「石川へのリプ」なんてどこにも書いていないんですよね。それに、「エアリプ」などのようにリプと使われることだってある。また、他の誰かへのリプであることは確かだったりするし。

でも、その時も説明してもTwitterなのでTLからはすぐ消えてしまうし、私が嘘つきだというツイートはたくさんいいねがつき拡散される。まとめまで作られる。説明してもややこしくて伝わらない。やがて、一体何どういうやりとりがあったのか、ヒールが何センチだのどうのこうのは消え、「石川優実は嘘をつく人間らしい」ということだけがいつまでもネット上には残り続ける。

そして起こることは、「嘘つきと言われている人間の言うことはメディアは取り上げないようにするし、あまり知らない人も常に嘘をついていないかと疑ってかかるようになるし、基本的に信頼しない、仕事を振らないようにする、運動を支持しないでおく」ということです。その「嘘つき」「不法行為を犯した」とされる人物の発言を無効化し、印象を悪くすること。そういう効果が生まれると思います。

今回のひろゆき氏がしたことも同じようなことだと思っていて、番組の最後の方に何回も強調して「嘘をつくような人の活動は広まらない」と主張しました。「だからそういう人は排除し、運動のやり方を変えるべきだ」と。

しかし、ここでやっぱりちゃんと詰めておかなければいけないことは、「本当に嘘をついたのか?」ということだと思います。

全然出てこない座り込みの時間の定義の根拠

嘘をついたというのは具体的に、「24時間座り込んでいるわけではないのに、24時間座っているとアピールしていた」ということだと話の流れからは考えられると思います。

しかし結局、ひろゆき氏は番組内で座り込みの時間の条件や定義が書いてある辞書を出してこなかったし、「多数派はそう思う」と言いながらその調査結果なども出してきませんでした。

大前提の「座り込み継続という言葉を使うには、1日に何時間以上そこにいる必要がある」という定義の根拠を番組内で出していません。それなのにその「自分の感想」を根拠に、「座り込みをしている人たちは嘘つきだ」と強く主張しました。私はこれを許していいとは思えません。

動画内で女性が「24時間いないと座り込みと言わないという定義がどこにあるんですか」と聞いた時、ひろゆき氏は「辞書に書いてありますよ」と言いました。


しかしスタジオで彼は「24時間座り込まないとダメとは言っていない」と言いました。確かに彼の口から「”24時間”って書いてありますよ」という言葉は出ていません。しかし、「24時間いないと座り込みと言わないという定義がどこにあるんですか」という質問に対しての返事として「辞書に書いてあります」だったら、「24時間と辞書に書いてある」と受け取るのが通常の会話だと思います。じゃないなら何が辞書に書いてあるって言ったんだ?という話だし、それは「24時間という定義がどこにあるのか」という問いへの答えになっていないですし。

「24時間なんて言葉口に出していないんだから勝手にそう思うな」というならば、そもそも辺野古の看板に24時間立ってずっとそこにいてずっと座り込みしているなんて一言も書かれていません。

それとよくわからなかったのが、番組で撮影された動画内でひろゆき氏は「日が出てる時間だけでもいいんですよ」というようなことも言っていました。え?ずっとじゃなくていいの?自分が座り込みとはずっと座り続けていること、と言ったのに、ずっとじゃなくて明るい時間だけでいいの?自分自身の発言の中ですらわけわからんことになってしまってるやん、と思いました。

ですが、これらのことがきちんと検証されないまま番組が進み、そのままひろゆき氏の定義が正しいという世界線の中で「嘘つき」が作られてしまいました。そして番組終了後にはこんなツイートが溢れています。

ひろゆき氏が「座り込みって言われたらずっといるもんだ、それが多数派の意見」と言ったのに対しせやろがいおじさんは、「多数派の意見というのは事実ではないですよね、そもそも多数派の意見だという根拠もあるのでしょうか」という感じで返していました。私は論破っていうのはこういうことを指すのだと思うのですが、これに対してひろゆき氏はもちろん根拠やデータを出すわけではなくずっと言っていた辞書すら出さず、せやろがいおじさんの発言をたびたび笑い、大きな声で話を遮り別の話を持ち出して話を変えてしまいました。

このせやろがいおじさんの意見が「論破」とみなされなかったのって、単に二人の態度の違いなのかなと感じました。今回ゲストに呼ばれた三名はとても真摯に相手の話を聞き、それに応えようとしていましたので。相手をバカにするように何か言うたびに笑う、そういうひろゆき氏がする振る舞いを、ゲストの三人はしなかったんですよね。

このひろゆき氏の振る舞いが、言っていることはめちゃくちゃでもまるで余裕があるかのように見せ、何を言っているかわからない人はひろゆき氏が笑ったところはきっとおかしいことを言っているからなんだろうなと判断し、相手はバカなんだと錯覚し、何を言っていても自分が正しい、相手はバカなことを言っているモードにさせてしまうのではないかと思いました。

ひろゆき氏が言っていることがわからない時はゲスト側が理解ができないことになり、ゲスト側の言っていることがわからない時はゲスト側がおかしなことを言っている。そういう空気がネット上に広まっていると感じています。

嘘をついたのは誰なのか

しかし繰り返したいんですが、結局最初に言っていた「自分の行った時間に座り込みはいなかった=座り込みとは言わない」の定義がどうなのかという結論が出ていません。言い出した張本人から根拠が出されていないのですから。

ひろゆき氏は「24時間という定義がどこに書いてあるのですか」という質問に対して「辞書に書いてあります」と言いましたが、辞書には書いてありません。嘘をついているのは誰ですか?私は運動をしている人ではなく、ひろゆき氏だと思います。書いてないのに書いてあるって言ったんだから。そして彼のロジックで言うと嘘をつく人のする活動なんて信用できないので、彼の言い分は取り上げる必要がないのだと思います。

「論破」とはなんなのか

きちんとした定義なんてないものを、なぜか自分が決めた定義に合わせることを強要し、それと違ったら「嘘つき」ということにする。これ、対人とコミュニケーションが取れる人なら、「自分が思っていた座り込みの定義と違う定義で使っている人がいるんだな。確かにどこにも24時間とか、時間の定義は書いていないから、相手が違う認識で使っていることはあるだろう。今回はお互いの認識違いだったんだな」で終わる話ですよね。少なくとも、自分の認識と違う使い方をしていた人を「嘘つき扱い」はできないと思います。
ひろゆき氏は、他者と会話をするということができないのであのスタイルなのでしょうか。だとしたら、やはりそれを「討論」と呼ぶのはおかしいと思うのです。

番組中、ひろゆき氏の画面が落ちて真っ暗になった時間が少しありました。声だけのひろゆき氏の言葉を聞いて、私は痛々しく感じました。大きな声で必死で相手の声を遮ろうとしているんだけど、内容が全く意味不明で。
やっぱり彼の笑いながら相手に対するスタイルは、無意識なのかわかりませんがまるで余裕のある人のように演出する効果を持っているなと思いました。

私がこのことをこうやってブログに書いているのは、多くの運動が広まらない原因はひろゆきのような人がいるからだと考えているからです。やり方は本当に定型化していて、同じような感じで運動に悪い印象を与えて、広めて、無関心層へねじ曲げたまま届ける。それをどういう種類があるのかをまとめたのが、#KuToo本を出した意図です。このやり方をちゃんとみんなで共有して、運動するとこういうよくあるやり口で邪魔してくる人がいるよということを知らせて、残しておきたかったのです。

この人たちはよく、「運動のやり方を変えた方がいい」と言いますが、この人たちのこの曲解や謎ルールや定義に当てはめてそこからずれたものを嘘つき扱いする人たちがいなくなれば、もっとストレートに運動が伝わりますよ。こういう人たちがいなければ、運動している人たちが無駄に怒る必要だってなくなるんだから。

私はしばらくTwitterを離れてインスタグラムの発信をしていましたが、インスタでは引用リツイート機能とかがないから、人の発言を曲解したり謎ルールに当てはめて広めることがすごく困難です。だから、私のやっていることがそのままフォロワーさんには伝わって、その上でこの人を支持するかしないか、ということを判断してもらえる。運動を揶揄してくる人も非常に少ないので、私がわざわざブチギレる必要もない。それがTwitterではすぐにデマが作られ拡散され、自分がやってもないこと、言ってもないことを元にコメントがつく。

こういう時に辛いのは、本来味方しているような人も「座り込みの定義がずっといることなら、24時間いないんだから嘘なのかな・・・この人嘘つきなのかな・・・嘘はダメだよね・・・」って思ってしまうことです。私の著作権の時もそうでした。たくさんの人が「よくわからないけどクソリプの定義とやらにに当てはまってないから著作権違反したのかな・・・不法行為はダメだよね・・・」と思ったと思います。それを理由に積極的支持をなんとなくしなくなった人もゼロではないと思います。

でも!よくよく考えてください。座り込みが24時間じゃなければいけないという定義も、クソリプは私へのリプライでなければいけないという定義も、そもそも存在しないのです!

こんな定義の話なんてどうでもいい、沖縄の話をするべきだという人もいるかもしれません。でも、こういうものをずっと放置してきた結果、社会運動は卑怯な人たちがやっているもの、反社会的なもの、いつも何もないのに怒っている人たちがやっているもの、なんかよくわからないけどとにかく印象の悪い人たちがやっているもの、そういうことになってしまっているのではないでしょうか?

きちんと「論破ってそもそもなんなのか」「これは本当に論破というのか?」そういうことを丁寧に検証していかないと、ネットのたくさんの人たちが根拠なく言い続けるものが事実かのように扱われ続けてしまいます。

私が#KuToo本を書いたのも、著作権侵害だと言われたことを絶対に認めずにきちんと判決で結果を出したもの、こういったものを可視化させて放置したくなかったからです。

かつて無関心層にいた自分は、ひろゆき氏に取り込まれる層の気持ちがわかります。よくわからないから表面上のどう見えるかだけで判断してしまうし、たくさんの人が言っていることは正しいことだと思い込んでしまう。野党は批判ばっかりなんでしょ、悪夢の民主党政権だったんでしょ、と、国会も見たことないし民主党政権が何かも良くわからないのに印象だけはしっかり持っていたんです。なんなら野党はカルトのようなものだと思っていました。実際は自民党ががっつりカルト集団と繋がっていたのにね・・・

それだけ「印象」というものの力は大きく、だからこそ相手は印象操作に必死です。今、ひろゆき氏の印象は「なんでも論破できる人」になっていると思います。もうその印象だけが残り続け、何も論破できていなくても論破したことになってしまう。これを変えるには、「え?それって本当に論破でしょうか?」と言っていくことだと思います。空気を変えていくことだと思います。

どうかメディアの方には、沖縄が抱えさせられている問題もたくさん報じて欲しいけど、できればこういう昨日のようなAbemaPrimeでのやりとりを「平行線」とか印象付けずに、どういう議論がなされて誰が何を結局答えていない、などの検証記事を出して欲しいと思っています。

沖縄のことを知らずに生きてきてしまった自分

最後に、今回本当に話さなければいけない沖縄の話を。

正直現地での座り込みに一度も参加もしてない自分が怒るのはおこがましいと思います。現地の人もお前らが怒れる立場かよと言われるかもしれない。でもひろゆき氏とかほかのやつが好き放題言いまくってるのに、こちらだけ何も言わないはやはりフェアじゃないし自分のことだから言っていかなければと思うので書きます。

うちは祖母や親戚が多く沖縄にいるので、積極的に基地問題について発信していませんでした。3年前くらいにTwitterで発信したときにものすごいバッシングにあったことも少しトラウマで、現地の人間じゃない自分は発信してはいけないのだろうかと思うようにもなったり。

おばあちゃんたちとこの話をするのもとても難しく、どういう立場でいればいいのかずっと悩んでいました。
沖縄で生まれ育ってきている身内の、基地容認している人たちと話すのは私にとって難しい。
自分も本土の人間としてどう考えればいいのかずっと悩んでいました。

多分私が積極的に反対というとおばあちゃんは悲しむだろうし、なんなら抗議してくるかもしれない…
沖縄じゃない人間が口出しするなと。

でも今月ちょうどおばあちゃんたちに会いに沖縄行くので、辺野古にも絶対いくと決めました。
おばあちゃんとも、正面から話そうと思った。

私は父が沖縄出身で、おばあちゃんや親戚が沖縄にいること、どこか誇らしげに思っていました。沖縄におばあちゃんがいるんだよ、いいでしょって。夏になったら毎年マンゴーを送ってくれて、ちんすこうとかブルーシールのアイスとか、色々送ってくれるんだよと。

みんなの生活があまり裕福でなさそうなことや仕事があまりないなど、うっすら聞いていたのにそういうものをきちんと調べずに大人になってしまいました。
基地の問題も同じ。政治のことに興味を持ち始めて初めて沖縄でこんな様々な問題があったことを正面から知り、自分が恥ずかしくなったしとてもショックでした。

でも、本土の人間がどうやっておばあちゃんたちに接していいのかわからずにそのまま今日まで来てしまった。そういう無関心や微妙な遠慮がひろゆきやそれを面白がる土壌を作ってしまったとも思います。

これからはより沖縄について自分でも勉強して発信もしていこうと思います。そしておばあちゃんたちともこわがらずに話をしてみる。

アベプラ出演された皆さんは、実際に座り込みに行ったり沖縄に行ったりと間近で行動されて来ている人たちですよね。
本当に負担な番組だったと思いますが、無責任な定義の決めつけ発言を問いただして下さり本当にありがとうございました。 こんなふうに運動されている人にこれ以上の負担をかけるようなことはさせたくないです。

スタジオにいた数名の方がなぜか他人事として「こういうやり方に変えた方がいいんじゃないか」と言っていましたが、そうやって言う人がやればいいだけの話と思います、お前の話なんだから。 自分がやれないことは人に言うなと思う。

論破したい人は、この問題を自分ごとだと認識ができない人は、何も傷つくことなく番組を終えることができたと思う。それに対して、こんな揶揄と侮辱に塗れた言葉をたくさんぶつけられた運動に関わっている人たちの負担は本当に非対称で、憤りを感じます。一緒に見ていた人たちも、たくさんの人が昨日は怒りで泣いたのではないかと思います。私ですらそうなのだから、実際に現地で運動をされている方はいかほどか。

真面目に受け答えれば傷つけられ侮辱され、無視すればデマは広まり印象操作をされ、怒ればその部分だけを切り取り暴力的とされ、言うことを聞いてわかりやすく丁寧にをやったら相手は調子に乗って自分たちは助けてやっているんだという間違った認識で運動に関わってきたり、そもそも誰にも気が付かれず話題にすら取り上げられなかったり。なにを選んでも何をしてもこうやってバカにされる、そんな構造から私は変えていきたい。変わるべきは運動を他人事だと思い込んでいる側のはずです。

はい、私の感想です。

このブログは私の個人の感想です。間違っても「あなたの感想ですよね」なんていうバカなコメントをしないように。私の感想だっつーの。

こうやって「私の感想です」と言って発表したものに対して「それってあなたの感想ですよねwww」と言ったら論破した!になってそれにいいねがたくさんつく、いいねがたくさんついたからこっちの方が正しいんだ。それが今作られ続けている世界な気がします。そこには文脈も何もない、本当に上辺の言葉だけを使って内容のないやりとりがなされ、勉強ってなんのためにしたのだろうかと考えさせられます。

私はこれがこのままでいいとは思えません。どうか、みんなで考えていきませんか。

*****

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フェミニズムに人生が救われた――。恋愛やセックス、仕事、人間関係。生活と地続きに考えるフェミニズムの形。石川優実はなぜ闘うのか。自らを見つめ直した渾身の書き下ろしエッセイ!

はい、私の感想です。” に対して15件のコメントがあります。

  1. てくてく より:

    本当にそう。石川さんはずっと闘ってきた。丁寧に、根気強く、黙らなかった。その姿勢が一貫していること。ひろゆき氏のような、何に対して責任を持っているのかわからない薄っぺらさと全然違う。石川さんの強さに、心が励まされた。

  2. サノ より:

    このひろゆきの件を耳にしてからずっとモヤモヤして、絶対おかしい!でもどこがどのようにおかしいんだろう…と思っていたところ、石川さんのこの文章を読んで腑に落ちました。ちゃんと言語化してくださると、もっと今の社会、特にネット社会が陥っている負のループの深刻さが実感できました。表面だけのコミュニケーションが交わされ、議論すべきことを茶化す空気をどうにかして変えていかなければならないですね。

  3. motomura.n より:

    “感想”ありがとうございました。
    あの投稿~abema放映に愕然として今も悔しい涙にくれています。
    この国に知性が失われてゆくと危惧はしていたけど、ここまでの惨状だったとは。
    理不尽な社会と闘ってくださる方々への敬意をあらたに大きくしています。

  4. 冷笑派嫌い より:

    素晴らしかったです。
    一字一句同感で、ひろゆき氏の「論破演出」の悪質さにはいつも辟易していました
    結局この人はヘラヘラ嘲笑しながら相手を挑発するように揚げ足取りに徹する

    相手が呆れるか何を言ってるのかわからず黙ったら「論破」と見なされる

    大量の“信者”が「論破」と拡散し勝手にそういうイメージ(構図)が出来上がる

    そういう流れなんだと思います
    先日ホリエモンがダウンタウンの笑いはつまらないと言って大炎上しましたが、
    ひろゆき氏が雨上がりの蛍原がつまらないと言った時は全く炎上しません

    イエスマンのような信者を抱えているか抱えていないかでこれだけ違いが出てしまいます
    今回の沖縄の一件も信者が徹底的に支持・擁護しているのが目につきます
    特に「ネトウヨ」というネットの中の巨大勢力をしたたかに手なづけて信者化している点が強みなんでしょうね

    石川さんのご意見が最も正しい意見であり、あなたはとても頭の良い方だと感激しました
    これからも応援してますね

  5. 阿部圭子 より:

    ありがとうございます。憤りが胸に渦巻いていますが、石川様の率直で強く優しい言葉に救われています。

  6. 昨年のフェミサイドデモ辺りから応援(私としては微力ながら共に闘わせていただいているつもりです)させていただいている者です。
    すばらしい記事をありがとうございます。
    KuToo運動でも「定義」の押しつけや上から目線でのクソバイスが大量にあった、というのは経験者の石川さんだからこそ語れる話だと思います。
    私のブログでもこの記事を紹介させていただきました。
    私も酷いデマや誹謗中傷に対抗するべく、さらに学びと発信を続けたいと思います。
    これからもどうぞよろしくお願い致します。

  7. 下地敏史 より:

    拝見しました。
    頷きながら、ひろゆきさんと番組スタッフに憤りながら。
    僕は沖縄で生まれ育ち今はテレビディレクターとして東京で暮らしています。
    うまく言葉に出来ない沖縄のモヤモヤ、世間が望んだ論破モンスターについて考え続けています。
    また、石川さんの運動と葛藤も恥ずかしながら初めて知りました。
    いつかお話ししてみたい、そう思いました。

  8. 木村吉伸 より:

    石川県在住です。71歳になりました。62歳まで15年連続で那覇マラソンに参加していました。その際に毎回辺野古に行き座り込みの方々とお会いしました。愚直という本を出版した大西さんは高校教師退職後に辺野古に連日座り込み愚直に向き合って来たと語っていました。亡くなられました。どれだけ多くの方々が人生を重ね様々な思いを持ち座り込んで来たでしょうか。ひろゆき氏の冷笑や一方的に捲し立てる姿は気分が悪い。これが到達する社会を拒否します。その道ではないあなたの深い発言に賛同します。

  9. 匿名 より:

    全く同じ動画を見ても、これだけ違う感想が出てくる方がいることにびっくりしたのと、
    そういった方が、どういう認識でそのように感じたのかが詳しく書かれ、参考になりました。

    あの討論は、宇宙人通しの討論で、ひろゆき族と反対派族で討論してたんだなと思っています。感性や価値観が違いすぎて、会話になっていません。そして、それぞれひろゆき族と反対派族がネット上にいて、分断しあっています。

    個人的に、あまり人に共感する性格ではないので、ひろゆきの見方がしっくり来るのと、ネット上の反応を見る限り、そういう日本人の方が多数になりつつあるのではと思います。
    沖縄とアフリカとウクライナと、どうでもいいと思うのか、共感してしまうのか、人間性の問題かと思いました。

    ひろゆき自身は昔からああいう性格なので、営業で作ってるわけでもなく、素だと思いますし、だからこそ共感を得られやすい。7割くらいの人間が疑問に思うこと、例の暴力のことですが、を聞いていくので、人気があるタイプです。

    そして、ネットでは数は力になりやすいということでしょう。
    討論後も、ゲストのアカウントに群がっている人がいますが、ひろゆきは、そういう連中もバカにするタイプです。
    自分の主張を味方してても構わないし、一人で生きていけるタイプなんでしょうね。

  10. ゆうすけロック より:

    言語化していただき、ありがとうございます!

  11. 山藤将之 より:

    ひろゆきみたいな人に反論するのってほんとに面倒くさいことですが、最近じゅんちゃんという人がYouTubeで三浦瑠麗や橋下徹などの発言をまめに批判しているのを見て、やはりああいう発言を放置してはいけないんだという思いを強くしています。石川優実さんのブログでの発言を支持するとともに、自分の周囲の差別発言にもちゃんとコメントしていこう、と思いました。

  12. 南の島の人 より:

    書いてくれてありがとう。本当にありがとう。

  13. 南の島の人 より:

    沖縄に居るものとして、今回のことはあまりにも酷くて、自分で言葉にできないでいます。喉から言葉が出てこないのです。息が詰まりそうです。だから石川さんが言葉にしてくださったことに救われています。本当にありがとうございます。

  14. きむらけいこ より:

    素晴らしい!こんな若い人がいると思うと嬉しい。2チャンネルでひどい事を書かれた経験があります。人として悲しい事です

  15. M より:

    ああした発言があたかも「正しいこと」のようになってしまう今の、インパクトが全てでそれを多数の浅慮が支える社会への違和感を大切にしていきたいと思います。いつも応援しています。

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