グラビアDVDで許可していない露出のものが発売された性被害に声をあげること
昨日、私のツイートに過去の出演DVDのパッケージ画像を貼ってリプをしてきた人が目に入ってしまいました。
自分でもびっくりしたのですが、パニックになり大声で叫んでしまったり壁に身体をたくさんぶつけてしまいました。自分でもよくわからない状況になりました。
私は、こちらの記事にも書きましたが、過去のグラビア活動の中でいくつかの性被害に遭っています。
今回自分がパニックを起こしたのは、この中の一つの記憶が鮮明によみがえってきたからだと思います。
#MeTooの記事に書いたことをそのままもう一度載せます。
1年程経った頃からイメージDVDを発売することになりました。
ソロのイメージDVDを10年間のうちに約30本発売した私ですが、本当に辛い仕事でした。何枚目かのDVDで、最後に収録されるオフショット映像コーナーで、乳首が少しぽろっとなったのをそのまま使われてしまったのです。
ファンの方が見つけて教えてくれました。
当時、映像チェックはタレント本人にはさせてもらえませんでした。(私の事務所の場合)
マネージャーに言いましたが、発売されてしまったので次からは気を付ける。で終わりでした。私も次からの仕事がなくなるのが怖いのでそれ以上何も言えません。
そして、その次からのお仕事は毎回どこかしらでポロリをするものばかりになってしまいました。暗黙の了解のようになっていたと思います。私も、「一度してるから、そうしないと売れないんだろうな。仕方ないか」
と自分に言い聞かせ、諦めました。
仕事がなくなるのは本当に怖かったのです。
ネット上で私のその映像について書かれているレビューやにちゃんねるを見たときのショックを、私は忘れられません。今でもその瞬間のことを昨日のことのように覚えています。私の人生は終わったんだと思い込んだ瞬間でした。
多くのレビューやにちゃんねるにいる人たちは、私の露出が故意ではないことを知ったうえで喜んでいたようでした。今思うと吐き気がします。
ここに書いてあるように、その後も続けてしまったものは私の責任かもしれません。ですが、少なくとも最初のDVDはこちらには防ぎようがなかったものです。
#MeTooの記事をかいたとき、そのDVDのプロデューサーから連絡が入りました。
「発売された後の作品を見たことがなかった、ごめん」と。散々Amazonでそのような指摘をされているにもかかわらず、「観た人が勘違いしているだけだと思っていた」と言いました。そして、販売の中止をお願いしましたが「今はもう市場で流通している作品以外うちに在庫はないから」ということで販売は止められない、と言われました。
その時はそれを信じました。しかし、よくよく考えたら作品をチェックするのはメーカーの責任だし、ともやもやしていました。
その後、当時のスタッフの人たち数人から故意にやっていたことを聞きました。カメラマンさんは、私からは了承が取れているから「ちゃんと」乳首が映るのを狙ってくれと指示されていたそうです。そのほかのスタッフの人もそう思っていたそうです。
その後、いろんな人にサポートしていただきこの件は弁護士さんにお願いしました。ただ、当時私はお金がまったくなかったのでとても安いお金で内容証明を一回送る、ということまででした。
その作業が、とてもしんどかったです。自分の被害に遭ったDVDを全部自分で用意して、何分何秒・乳首が映っている・陰部が少し出ている、など細かく記す作業から始めました。気が狂いそうでした。それを弁護士の先生に自ら説明しました。
結局相手の弁護士からは「そもそもその作品にそのプロデューサーや会社がかかわっていた根拠がありません」とか、「プロデューサーと石川さんの間で乳首を出さないという約束が取り決められていた証拠がありません」とか(LINEでそういう約束だったという確認をしたスクショを送ったにもかかわらず)、話になりませんでした。実際、そのメーカーはもう今はなくなっていて、そもそもその時も株式会社ではなかった?私もよくわかりません。
弁護士の先生は優しかったですが、性暴力の専門ではないこと、私も当時お金がなかったこと、なによりもうこの一連の行動がしんどすぎて、もうあきらめようかな、と思っていました。
自分でも、あまり大した被害じゃなかったと思い込んでいました。
私はその後にフルヌードになっています。それは自分の意思で出たい映画でなったもので後悔は一切していませんが、そういうことがあるから少し乳首がでたもののことなんか忘れればいいと、思い込ませようとしていました。
映画で脱いだことも後悔はありませんが、過去のそういった被害をなかったことにしたくて脱いだ部分は確かにあります。これも、被害がなかったらどうだったか、今となってはわかりません。
同意なく裸を出されたものに上書きをするには、自分が脱ぎたくて脱ぐという行動を取らざるを得ませんでした。
実際に自分の意思で脱いで、心が癒された部分も少なからずあります。
#MeTooしたことであれが性暴力だったと知って、やっと楽になった部分もあります。
それでもやっぱり、当時のみんなにとって大したことのない被害は私の心に残り続けているし、昨日みたいに突然やってくるとパニックを起こしてしまうほどではあったのだな、と再認識しました。
昨日のことをきっかけに、やっぱりもう15年も前の話だけれど放っておいてはいけないと思いなおしました。
私以外にも被害者はいます。だけれど、みんな再び話題にすることによってまた見たくないものが世間に出てしまうことを恐れて、何も言えずにいます。
私はグラビアの世界の中でも売れていなかったのでかなりマイナーなところで活動していて、こういうことはあって仕方ない、当たり前のことだと思っていました。売れない人はそういう目にあっても仕方がないと本気で思っていたし、周りもそうだったように思えます。
こういったことのほかにも、現場で打ち合わせを違う露出を求められて断れなかったこと(マネージャーがいない場所で)、もうグラビアはやりたくないからと相談して入った新しい事務所との契約をした直後に「もうグラビアやらなくていいなんて思ってないよね?」と言われたこと、仕事を依頼してくるのに「もっと露出しないと仕事なくなるよ」と言われ続けること、「あの人も脱いでるんだからわかってるよね?」と脅されること、撮影の時に必要もなくカメラマンが身体を触ったこと、スタッフがアダルトビデオにいった女の子のことを「バカ〇〇(その女優さんの名前)」と呼びみんなでバカにしていたこと、そういう自分の中で忘れられない瞬間がたくさんありました。
プロデューサーは今もグラビアのDVD制作にかかわっているようです。
どうしたらいいのかわからないけど、過去の自分のため、同じような被害に遭った女性のため、これからの女性のために今度こそきちんと声を上げようと決めました。
AVの業界とも近いとこだったと思いますが、世間からあまり問題視されない世界でもあると思います。しかし、AVの強要問題と同じようなことは頻繁におこっていたことを認識してもらいたいです。
当時のことを知っているスタッフさんや、こういうグラビアの世界に問題意識を持っていた方、実際に被害に遭った方、匿名で大丈夫ですのでよかったらご連絡をください。
何をどうしていくのかわかりませんが、連帯しませんか。
こちらからお問い合わせください。
そして、私が当時のことを思い出してしまうから画像を貼るのをやめてくれと言っているのに貼ってくるのはもうやめてください。
やめてと言ってもやめてもらえないなら、死ぬしかないじゃないかと思います。
それに、死なないと深刻なことだと考えてくれないじゃないか。
私は勇気がないから自分で死ぬことができません。でも、こんなふうに日常でいるときに死ぬか死なないか考えなきゃいけないことがもうおかしいと思います。
酔っぱらって勇気が必要じゃなくなったら、勢いでやってしまいそうでこわいです。自分で自分を止められないときが来そうで、おびえています。これは自分で死ぬと呼ぶんでしょうか?私は殺されるのでは?そう思います。
Twitterがなくなったら声を上げる場所も繋がる場所もなくなります。私から声を上げる場所を奪って孤立させないでください。
そうやって性暴力は温存されてきたのだと思います。
いい加減、二次加害にも法的措置がとれるようになってほしいです。
よろしくお願いいたします。
石川優実
男性の自分がコメントを送っていいものか悩みましたが、石川さんのblogを読んでどうしても黙っていられませんでした。
石川さんの勇気ある告白、尊敬します。
過去の辛い経験をとても冷静に丁寧に綴られている事に余計石川さんの辛さや苦しさが伝わってきました。
本当に日本は性暴力(二次加害も含め)に甘すぎると思います。
ここ数年、石川さんをはじめとするフェミニストの方達の記事やTwitterなどを読んで、今までの自分を反省すると共に色々な価値観も変わりました。自分が日本の男らしさに苦しんでいた事も気づくことが出来ました。
自分はSNSなどは見るだけでやってないのですが、そんな人間にも石川さんの声は届いている事を伝えたいです。
この文章を書いていても、無意識に男性的な無神経な言葉を書いてないか不安になるのですが、問題なかったでしょうか・・・。
これからも石川さんの活動応援しています。
貴女が自分自身を守ってあげることをやめないで下さい。
心ない行為や言葉に折れないで下さい。
昔があったから今があるのではなく、今の自分を大切にしてるから、今からの道があるのです。
わたしにはなにもできないけれど、背中に手を当てるイメージであなたに「頑張って」と、声をかけています。
応援しているのは、誹謗中傷をしている人より何百倍もいますから!